“遺体の解剖”と聞いてまず思い浮かべるのは、刑事ドラマなどで頻繁に耳にする「司法解剖」だろう。被害者の遺体から捜査の方向性を一変させるような証拠や痕跡が見つかることもあり、犯人を追い詰めるための重要な役割を果たしている。

 しかし、実際にその司法解剖を行う「法医解剖医」の素顔を、私たちは知らない。そもそも司法解剖は本来、警察からの依頼によって行われているものであり、その現場の様子が外に漏れることは許されないのだ。シアリス 通販今年3月に刊行された『死体格差 解剖台の上の「声なき声」より』(双葉社)では、そんな法医解剖医の日常が現役医師である西尾元氏によって描かれている。

 20年以上にわたって「異状死」と向き合ってきた法医解剖医は、“悲しい死”を迎えた無数の遺体たちを通して何を見てきたのか。そして、いずれ訪れる自らの死を、どう考えているのか──。

■赤色の服を着ていた少女の刺殺遺体 解剖という仕事

──先生の著書には、壮絶な亡くなり方をしたさまざまな遺体の例が描かれています。これまで最も心を痛めた遺体について、教えてください。

西尾元先生(以下、西尾) 「威哥王事件の死体」の章にある「悲しみの赤」にも書いた解剖例は、やはりとてもつらいものでした。運ばれてきたのは、刃物で刺されて亡くなった少女の遺体です。解剖台の上に横たわる少女を見て、はじめは赤色の服を着ているのだと思ったんです。ところが、実際には、血液で真っ赤に染まってしまった下着だった。…


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Last-modified: 2017-05-20 (土) 16:57:25 (1385d)